みるこ

地獄の黙示録 ファイナル・カットのみるこのレビュー・感想・評価

3.5
無知なので、鑑賞前、映画館に向かう電車の中でベトナム戦争について調べ、大まかな流れとどこの国が関係していたのかを確認した。確認しておいてよかった。

空爆のシーンは確かに圧倒された。
変な視点から見てしまい、人だけではなく爆撃に併せて使われた音楽もなぜか可哀想に思えてくるし、爆撃が大きすぎて、綺麗な朝日が昇るだけで地球というこの惑星全体が可哀想になり、涙が出そうになった。
いつも銃を構えた人間と対峙し虐殺しているのに、虎に怯えたり、子犬を可愛がり胸に抱っこしていたり、少し皮肉に思えた。

アメリカの人工的な光が輝く基地での地獄の戦いのシーンが好きだ。ロックがかかっていたり、カラフルなライトがぶら下がっていたり、照明弾が夜空に輝いていたり、まるで銃撃戦が似合わない背景がいい。

カーツ大佐の王国を見て思うところがあった。
人は戦争において、理性を失うことで強くなる。理性を失わなければ負けである。
「私を殺す権利はあるが、裁く権利はない」
戦争はもともと無意味な狂気の塊。カーツ大佐だけがおかしいのではない。

ランスの魂は王国に持っていかれてしまった……あのあと2人はどこに向かってどのような人生を送るのか、気になる。

戦争映画はあまり好みではないかもしれないが、豪華な作品だとは感じた。
みるこ

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