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透明人間現るのKのレビュー・感想・評価

透明人間現る(1949年製作の映画)
3.4
円谷英二さんの戦後復帰作であり、日本初の大トリック映画らしい。原案は髙木彬光さんの『覆面紳士』。褒美を聞かれて「お嬢さんを」という流れに時代を感じる。ネズミとネコ。花瓶とピアノ。アムールの涙。あまりにも不自然な書き置きの内容。透明化薬と還元薬。凶暴化。元に戻る方法とは。揺れるタバコの煙。「ただいま透明人間がサイドカーで須磨街道を西進中」。想像していたよりもシリアスでサスペンス色の濃い一本だった。どうやって撮ったのか気になるシーン多数。工夫を感じられる作りが良い。戦後4年目に公開された本作。科学に善悪はなく、それを使う人の心によって善とも悪ともなるという趣旨のテロップが二度登場することに他意を感じずにはいられなかった。
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