塚森

くじらの湯の塚森のレビュー・感想・評価

くじらの湯(2019年製作の映画)
3.7
幼い女の子が母親と地元の銭湯に行く体験をガラス絵を用いて描く、一見ファンタジックなアニメーション。

登壇されたキヤマ監督が「幼い頃、母親がお風呂が好きすぎていつまでも入っているので、このまま帰ってこないで、母の祖国である韓国に戻ってしまうのではないかと不安になった」と語っていた。
自分の母親は長風呂ではないし日本人だけれど、入浴時のえもいわれぬ不安はかつて確かに感じたことのあるもので、この短編を通して思い起こされた感覚でもあった。
監督の体験が、自身の手で一枚一枚の「絵」に落とし込まれているからこそ、作品の向こうにある景色を感じられるのだと思う。
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