サウナ中級者

ザ・レポートのサウナ中級者のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・レポート(2019年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

「ゼロ・ダーク・サーティ」を観たなら必ずこちらも見るべき映画だと思いました。物事の二面性について考えるきっかけになると思います。

「ゼロ・ダーク・サーティ」でも拷問シーンは描かれていましたが、目的のために致し方ない手段として描かれており、本映画でも述べられていたように、それがビンラディンの居場所を特定するきっかけのように描かれていましたね。
それが事実ではないとこの映画では明かされるのは、9.11事件後の詳細を知らない私にとっては結構な衝撃でした。

事実ベースの映画で許容される脚色の範囲を超えているとも思いますが、映画とはあくまでエンターテイメントの一つですから(作成時にEITの真実は明らかにではなかったと思いますし、プロパンガンダぎりぎりのところとは思いつつ…)、それによってあの映画の評価を変えるべきではないのかなとも思います。

この映画に関しても自分はEITの真実が世に出るか出ないのかというより、主人公のダンが、自分の正義感や信念を胸にいかに行動を貫いていくかにスポットを当てて観ていました。
とても大きな組織を相手に最後までやり抜く信念に心を打たれました。

あんまり俳優さんに触れるのは、所詮私は素人ですし、映画の純粋な評価をゆがめてしないか注意しているのですが、それにしてもアダム・ドライバーは素晴らしい俳優だなと。
名優とはとにかくその作品にのめり込ませる演技ができる人のことをさすのかなと感じました。

映画の気になった点としては、最後にファインスタイン上院議員が報告書を公開するシーンで、「過去の汚点に向き合えるアメリカは素晴らしい」というようなスタンスで声明を読み上げていた点です。(公開の前置きとしてあのようにするしかない気もしつつ)

総じてとても楽しめた作品です。
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