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街の上でのNnのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.1
みんながみんな、みんなの中に存在していて、街の中に存在していて、素敵な映画だった。
何より役者たちの技巧的に見せない芝居のうまさがこの作品を支えていると思う。
これ以上ナチュラルでもダメで、これ以上わかりやすぎてもダメ、という。
個人的にはここ最近、東京のコント師にはまって色んな芸人のネタを見ていたけど、
それに通ずるような雰囲気を感じさせる、日常と非日常が混ざり合っている空気感が心地よかった。

荒川青の素直さ、不器用さ、飾らなさ、が面白くも愛しくなって
人間らしく生きていきたいな〜と思えた。
色々な会話から、普段今泉監督はこんなこと考えいるのかなぁと想像が膨らみ、たのしい。
確か監督のTwitterで見て買おう!と決めた「遠浅の部屋」が小道具で登場したのも嬉しかった。

冒頭の青とゆきのシーンから、古着屋のシーンでいきなりグッと引き込まれた感じがある。
その古着屋での服選びのシーンでのあの彼女の演技が最高すぎる。笑
同監督の作品で言うと、あの頃。にも出演していた青渚ちゃんの関西弁は下町!大阪弁!って感じがして好きだなあ。

映画が始まってから遅れて入ってきたお客さんに私の白いブーツを踏まれたのだけど、
なんとなくそういうときの感覚や感情を表してる映画だった。

この映画が、人が「在る」ことを表現しているというなら、私はどこにも存在できていないなぁ、と落ち込んでしまった。
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