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街の上でのpandaのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.2
1回目 4月14日 テアトル梅田
2回目 5月5日 元町映画館(今泉監督と髭野Pのオンライン舞台挨拶付き)

去年、「ファンシー」の頃に予告編をみてからずっと待ってた作品です。久しぶりに推しが出てない作品でリピしました。

神戸歴がながいので個人的には元町映画館で見るのが似合いそうと思ってたけど待ちきれなくてテアトルで見た1回目、茶屋町界隈の雰囲気もイメージの中の下北沢と似てるかもだけど、やはりどこか違ってて。
下北沢って私にとっては映像や小説の中の
東京を象徴する地名のひとつ
何度も上京した今でもまだ足を踏み仕入れたことは無い。
そしてよく「関西でいうと何処だろ?」って考えるんだけど、あのカフェの聖地巡りしてた女の子みたいに、どこか架空の街のような、逆に何処とも置き換えられる街のような。。

今回2回目を、当初からの予定通り元町で見て、なんかしっくりきました。

群像劇なんだけど、街の話。
街の上で=over the townで、それがシャガールの絵からとってるってきいて、なるほど、と腑に落ちました。

青くんと4人の女の子がメインなんだけど
パンフ見たらそうだ、この人もいたわ、と思うくらい沢山いて、一言しか話してないけどフルネームの人もいれば(自己紹介したから)メンソールの男と女、元関取、マスターなんて結構メインなのに名前ない人もいて、そして出てこないのに存在感抜群のかわなべさんや姪っ子、茂くんの好きなひと。そういうの全てひっくるめて街の話だった。
切ない、気まずい、残念なんだけど客観的にみるとめちゃくちゃ愛しい、そんな人たちがいる、街。

若葉竜也さんの100%受け身の主人公が面白かった。パンフにあったご本人の「家電みたいな存在」という解釈も、舞台挨拶の場でも上がってた「元町の上で」企画の中の「5人くらいで飲みに行く時はいつもいるんだけど2人では飲みに行かないヤツ」っていうのも、なるほどなぁ……って。
そういう人が「モテるだろうな」って思われる(けど自分は好きにならない)のもなんかわかる。絶妙でした。そして、歌は上手い!

女の子の中ではダントツでイハちゃんが好き、だけど、彼女も好感はもたれるけど本命にはなれないタイプなのかなぁ…だから青くんと気が合うんだろうな。

小さな謎とか、どうなったんだろうって思うことが沢山あって、他の作品と同様結構妄想もするけれど、別にホントのところが知りたいかっていうと、そうでもない気がする、こういう空気感のお話がいい歳しても大好きなんだな、私、とあらためて。

作品としては、あの青くんイハちゃんの長回しや5人の掛け合いのような会話劇も好きだし、「金沢の女の子」の装丁や、キャストのファッションやお部屋からキャラクターが見えるのも楽しくて
だけど、何気ない「道を渡る」シーンが何故か印象的で、あれは誰の視点だったのかなぁ……なんて後から(監督の話ききながら)思いました。

劇場で観られた「mellow」「あの頃」以外の今泉作品をWOWOWの特集の時に録ってまだ見られていないので、この機会に一気にみてみようとおもいます。そしたらまたみたくなりそうだなぁ……
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