Takuma

街の上でのTakumaのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
5.0
まずは何より、「羨ましい」という感情が湧き上がった
豊かなサブカルチャーの源泉とされている下北沢が舞台なだけあって、バーや古着屋、古本屋など数多くの親しみやすい場所や人間関係と触れ合う環境が整えられてる。
もう観ただけでそこが自分にとっても桃源郷に近いエリアというのが直感でわかる。暮らしてぇ
きっとこれを観たシモキタ常連は、
「そうそうそう!こんな感じ!!」となるんでしょう、、、あぁぁ腹立つ(田舎民の僻み)
そんな僕は当初愛憎半ばする思いを持って登場人物たちやその生活を眺めていました。
そもそも僕は青春を腐らせた人間なので、恋愛がでてくる内容をあまり好みません。
「こんな羨ましい奴らの、青春模様を描いた映画好きになんかなってやるもんか!!!」

……しかし無理でした。だいぶ捻くれた僕をもってしても、どこをどう足掻いても最高になる映画でした。
ここ10年くらいの間に大学生を経験した、
バンドマンかぶれのような内面と少し世間ズレした感覚を持ち、うだつの上がらない日々を送る人間には確実に刺さってしまう内容。
日常会話がリアルすぎて鳥肌がたつ。これ台本あんのか??
あと、「間」が非常に多く、ひと昔前の邦画なら考えられなかったであろう時間の使い方
特に初対面の人間と同じ空間を共にする時の絶妙な気まずさを演出するのが巧すぎる。
共感性羞恥のある人にはきついシーンも幾つか。
一応主人公である荒川青が、これといって特徴的な人物像を持っているわけでもなく、終始下北沢に生きる「普通の」若者の一人と化して物語にいるのが面白い

城定イハちゃん、もし僕が荒川なら秒速で好きになってます。
これまでも映画のキャラで魅力的に感じる女性は数多くいましたが、ちょっと今回のイハちゃんはヤバいです刺さりまくってます。。。

とまぁ、登場キャラに特別な感情が芽生えたことを抜きにしても、自分の中でこれは傑作です!
Takuma

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