魔女見習い

街の上での魔女見習いのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.9
青のシーンが全てカットされていたことについて「存在の否定じゃんか」とこぼした古本屋の女の子。
この台詞、映画なり小説なり音楽なり、なにかつくる人間には耳が痛いはず。だって何かをカットして否定しない限り作品は完成しないんだもの。たとえ"見て見ぬフリをされがちな、ごく当たり前のどこにでもいる人々"を表現したくても、なにかを誰かを無かった事にしなくちゃいけないジレンマ。呪い。肯定が否定になる瞬間。
普遍に対して物語という器はあまりにも小さすぎる。こぼれおちるものが多すぎる。
でも物語に触れると何か分かったような気になってしまうので、文化や創作の罪は深いと思うのです。

恋愛人間ドラマとしても楽しめるんだけど、案外ものすごくメタってる映画でした。
魔女見習い

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