ぽつぽつと繰り出される会話、それも繋がっているんだかすれ違っているんだかよく分からない会話のテンポが可笑しくて妙な心地良さを覚える。ユーモアに満ちた脚本が素晴らしく、淡々と物語が進行していく中で人間模様が捻れていく様がとても面白い。多くの場面で長回しが取り入れられているが、現実味があるようでないデフォルメされたキャラクターであるにもかかわらず、俳優たちの演技によってリアリティが付与されている点も興味深い。
クスッと笑えて楽しいなと感じていたら、エンドロールが流れ始めて知らないうちに夢中になって観ていたことに気付いた。いい映画だ。