げーと

街の上でのげーとのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.0
ずーっと気になってた作品。
おもしろかった!
でも、人は選ぶんだろうな。

何が面白かったかと聞かれると中々すっと答えられない。そこが人を選ぶ理由なのかも。

たぶん一番面白いのは他人の人生の日常を擬似体験出来るところかなと思った。イハの部屋での長尺の深夜の会話とか絶妙に既視感あるし、起きた時の青目線ですっぴんのイハを見上げるカメラワークとか。
そこに加えて下北の独特のサブカル感の空気が好きな人にとっては映像だけでも楽しめて。

イハが何故あの大きい部屋に住んでるのか、映画制作には参加してるけどアウェーな理由、古本屋の店主の死因などなど謎は残るけど、その辺りの謎を全部回収しないのも日常の切り取り感があって良い。

キャストは一応全員プロなのかな?学生映画にただの古着屋の青が出てるように、この映画にもその辺の古着屋の店員とか出てたりするんだろうか…?それこそ下北の空気感を出すために。

初めに青に煙草をくれた美女と、積極的に話しかけられず関係を持つこともできず貰ったメンソの煙草がただいつまでも部屋に残ってるのも青の日常を表してて凄い良い。

書き出してみると面白かった事意外と言語化出来た。けど、うーんそうね、好きじゃない人は好きじゃないんだろうなー。
一般人の人生の一部を追体験する事を楽しめないみたいな感性は一定理解は出来るので。

もう少し年齢がいったらこういうものも観れなくなってきそう。
げーと

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