ボブおじさん

街の上でのボブおじさんのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
3.8
いかにも今泉力哉監督が描きそうな、いかにも下北沢辺りに居そうな1人の青年のどうでもいい様な日常を描いた恋愛群像劇。

ほとんどの人の日常は、他人から見ればどうでもいい日常だ。若葉竜也が演じた古着屋で働く青年・荒川青の半径500メートルの日常もまた、他人から見ればどうということのない日々の連続だ。

彼女はいるような、いないような。行きつけの古本屋や飲み屋に行ったりしながら、たまにライブを見たりはするが変わり映えのない日常を送っている。

そんな彼のもとに、自主映画への出演依頼という非日常的な出来事が舞い込み、彼の半径500メートルが突如騒がしくなりだす。

初対面の女性の家に泊めてもらえる様な、危険な匂いのしない男が4人の女性たちと絡んでいくその先に、どうでもよくて、だけど愛おしい日常の予感がする。