ゆっけ

街の上でのゆっけのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
5.0
なんで、今泉力哉監督の映画は観ると愛おしい気持ちにさせるんだろう。
街も人間も、何気ない日常すべてが好きになる。不思議だ。

『愛がなんだ』が好きな人は間違いなくこの映画を好きになると思います。また、『愛がなんだ』がはまらなかった方も、もしかしたら今回は好きになれるかもしれないので、まずは観てほしい。

下北沢の街を歩きたくなる。音楽、漫画、映画、サブカルの街。出てくる人たち、みんな好きになる。特に主人公の青を演じた若葉竜也さん(『愛がなんだ』のナカハラくん役)は、絶対今後活躍するだろうなぁ。あと歌も上手いことが発覚したので、将来、菅田将暉的に活躍する気がしました。

そして、女性の配役と描写が素晴らしい。城定イハ役の中田青渚さん良いですね。なんなの、あの間のとり方。めちゃ好き。ずっと観てられる。恋バナシーンと楽屋シーンが、同じ場所なのに全然雰囲気違くて、どちらも最高です。日常の会話をあんなに面白く描けるのはすごい。

冒頭のシーンの違和感が、つながっていく瞬間。爆笑しました。

それぞれの人生、人とのつながり。存在が肯定されない人間なんていない。観終わった後、爽やかな気持ちにさせる、素敵な映画でした。

異性で観ても、同性同士で観ても楽しめる、珍しい映画。映画だけでなくて、街や人、カルチャー(音楽や漫画など含め)全体に興味のあるFilmarksユーザーに特におすすめ。

すっかり、監督のファンになってしまいました。(エンドロールで、あの曲も作ったということも知ってびっくり!!)
早くも2020年の邦画ベストになりそうです。
ゆっけ

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