好評だったので鑑賞。
主演の奈緒は「あな番」での怪演が記憶に新しく、サイコちゃんにしか見えなかったんですが、普通の人でした、と書こうと思ったらそこそこサイコでしたw
備前焼を描きたいのは分かりますが、その環境への持っていき方があまりにも雑。
何にも熱中したことのない主人公が、一つの作品に出会って感動して、会社を辞めて会ったこともない人物に弟子入りに行く、なんて安易すぎやしませんか。
積極的自発的に沼の深みに猪突猛進する人物像でも収入と人脈を全部捨てるには相当な覚悟が必要なのです。舐めるな、と申し上げたい。（僕はこれをやって上京して夢ついえた中年でございます）
原作がこうならば改善しなかった脚本が、原作がもっと動機に尺を取っているのなら端折った脚本が、とにかくこの点に関しては脚本が良くないように思います。
序盤にこう感じ、主人公に共感できないまま物語が進むので、物語に没頭しづらくなってしまいました。
それでも笹野高史を筆頭に役者陣の演技は素晴らしく、最後にはきっちり感動させていただきました。
小劇場作品で備前焼を描く、と聞くと淡々とした静かな作品を想像していましたが、万人受けする分かりやすい映画ではないでしょうか。
