きみ

ガネーシャ マスター・オブ・ジャングルのきみのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルから漂うB級感に反して、ストーリー、アクション共に結構しっかりと落ち着いた雰囲気。
115分とインド映画の割にお時間も短めで、そのぶんストーリーも必要な箇所に絞られたコンパクトなものでした。
途中、音楽に合わせてインドの武術カラリパヤットの型をみせるシーンあり。ダンスはEDのみ。
映像、ストーリーともに、少しインパクトに掛ける気がしますが、さらっと見やすいという点で良い作品だと思います。

目を引く画としては、とにかくたくさん出てくる象、大きくて立派な象、演技が上手な象、ペイントが可愛らしい象、象、象。
主人公の獣医ラージは逞しい体に甘いマスクで、そんな彼が親しげに象と触れ合う姿はそれだけで絵になります。
また、合間に差し込まれる人間ドラマとキャラクターが、ありがちなものながら魅力的。
母親の死をきっかけに疎遠になった父親とラージが、ぎこちなくも相手を気にかけ、少しずつ関係を修復していく姿。
幼馴染の女象使いシャンカラ、動物保護官デーヴとの、友情、淡い恋心の絡んだ関係性などが、しっかり描かれていて良かったです。

生まれ育った場所を大切にしながら生きるシャンカラ、アクティブな記者のミーラ。タイプの違うふたりの女性が出てきますが、どちらとも明確に恋愛関係にならなかったのも、新鮮ながら好印象でした。

話の主軸としては、野生インド象保護公園を運営する父親や、ラージ、シャンカラたちvs象牙目当ての密猟者。
そこに理想だけでは保護公園を保てないと苦悩しながら密猟者に協力してしまうデーヴや、密猟者と組んでいる警部などが絡んできて、それらとラージが闘います。

ラージやデーヴはインドの武術カラリパヤットの遣い手という設定なので、基本的に蹴りや投げ技などの動きが綺麗。
また、棒、剣、盾、その他、珍しいところだと鞭のように刀身がしなる長剣ウルミなど、多彩な武器を扱うシーンは楽しかったです。

しかし役者さんの動きは素晴らしいのに、戦闘シーンの緊迫感や迫力はいまいち。
カメラワークや音楽などの演出が良くなかったのかなぁ。重さやスピード感をあまり感じられなかったのが残念です。

よく言えば、泥臭さが薄く綺麗にまとまっていたので、流血描写が苦手な方でも見やすい。マイルドなインド映画だと思います。

主人公ラージもさることながら、親友デーヴ役のアクシャイ・オベロイさんのお顔が美しかった。
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