くさむすび

犯す女〜愚者の群れ〜のくさむすびのレビュー・感想・評価

犯す女〜愚者の群れ〜(2019年製作の映画)
4.1
『アルプススタンドのはしの方』の予習兼ねて。城定秀夫監督作を見るのは2作目。面白かった。
ピンク映画なので70、80分に納めてくださいという規定があるのだろうけど74分でひき逃げ犯と殺人犯という奇妙な共同生活から愛に発展させていく過程、冴えない素人童貞男がめちゃくちゃカッコ良いロマンチストに見えてくるマジックを見せてくれるのはさすが城定監督といった所である。最初のギョッとするシーンから、浴槽に頭を埋めるシーン。タイトルバックまででもう好みの作品だと確信できるのは唯一見てる城定監督作『わたしはわたし』と同じだった。映像構図の面でも余白・空白の部分が非常に巧みで、愛を求めるが故に夫を殺した女と人生が楽しくなさそうな男の心情が画面一杯にあった気がした。でもこの映画を象徴するのはラストシーン。この丁寧な過程全てをぶち壊していくあのファンタジックな最後は爆笑モノ。忘れらないラストシーンになった。浜崎真緒かわいいし、後輩役のクズ人間がクズ中のクズって感じでよかった。
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