ツクヨミ

MONOS 猿と呼ばれし者たちのツクヨミのレビュー・感想・評価

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
3.5
美麗な映像と何処に向かうのかわからないストーリーと。
山岳地帯で訓練と人質の監視を続ける8人の少年少女兵。彼らは"MONOS(猿)"と呼ばれていた…
アレハンドロ・ランデス監督作品。今作は少年少女たちを主軸にしたティーンエイジャームービーであるがなかなかに異様な様相を呈していた。それは人質の監視を仕事にする兵士という肩書きもあるが、説明が一切ない困惑のとんでも展開が待ち受けていたからに他ならない。子供だから戦場でも銃を打ちまくって遊んだり、本気のキャットファイトを始めるあたり無邪気さが現れるが、突然始まる戦闘によって彼らは理不尽な暴力に呑まれていく恐ろしさが画面を彩る。そんな要素が混沌のように溶け合った映画体験はなかなか新しく新鮮だった。
そして今作は背景が美しく、山岳地帯の息を飲むほどの青と白の背景やジャングルの自然の息遣いが聞こえそうな迫力がビジュアルインパクト抜群で視覚に訴えてきた。最早映像を追っているだけでも楽しめそうな美しさ。
しかしストーリーとしては正直よく分からず猥雑さは否めない。結局監督は何を伝えたかったのかは最後までわからずじまいだった。
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