からかす

再会の夏のからかすのレビュー・感想・評価

再会の夏(2018年製作の映画)
4.0
フランス映画に疎い私の第一印象は
「あっ「最強のふたり」に出てきた富豪役の人じゃーん」。
まあそれくら知識の浅い状態だったわけだが
結論から言えば結構好きなタイプの映画。

落ち着いたトーン、悪く言えば淡白で
戦争映画とは予算規模からも激しいアクションシーンもない。
でも細かなショットや会話の端々から
極めて苛烈な戦場を体験してきたことを
感じられて、主人公がなんらかのPTSDを抱えていることが
過剰表現なく感じられる。

物語は主人公の起こしたとある事件の真相を
一層一層剥がして暴いていくというものだが
その要因の一つとしてある"すれ違い"があるわけで
ここが若干帰結として弱いかなあとも感じる。
そう感じる一方で意外とそういう他の人からしたら大層でもないけど
些細な要因が戦争PTSDと混じり合って事件を引き起こす、
というのも確かに起こりうるかもという納得感もある。

人によってはこれはかなり薄味と感じるかもしれないが
個人的には傑作とは言わないまでも、なかなかの佳作。
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