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WAVES/ウェイブスのzshのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
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テレンス・マリックの弟子のトレイ・エドワード・シュルツ。師匠譲りの美しいショットで綴る135分(エンドクレジットの最後まで美しい)。
独創的なカメラワーク、カラーリングの美しさが特に印象に残る。前半のタイラーの物語におけるこれでもかという赤と青を際立たせる色彩デザインはレフン作品にも通じそうなくらいと思ってたらプロダクション・デザインがエリオット・ホステッターでした。
アレクシスの蛍光色ネイルもエモい。
キャラクターの心理状態の変化に伴い変えるアスペクト比も効果的。フラットサイズをベースにスコープよりさらにワイドな画角、スタンダードでも見せていく。

カメラを敢えて濡らして描写するショットなども新しい。

劇中曲はそれぞれがキャラクターの感情に寄り添うように選曲されていて、キャラクターの心の声を伝えている。
数えきれないほど複雑に物語と音楽が溶け合っている。
最も重要なのがレズナーとロスが手がけたオリジナル・スコア。登場人物の感情の動きを巧みに浮かび上がらせていくそのサウンドがジャンルも異なる様々な曲と曲を緩やかに結びつけていく。

無数の愛の形を通じて愛がどのように人々を引き離し、そして引き寄せるか探求する。

愛は全ての罪を覆う。
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