戦場太郎

WAVES/ウェイブスの戦場太郎のレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.0
質映画請負人のA24制作。
とある黒人の一家に起きた事件と、そこからの展開を描く。
話としては、ムーンライトやビール・ストリートの恋人たち、あるいはスリー・ビルボードといった映画と近い。
カメラワークやカット、ライティング、役者の演技は一級品で、傑作との呼び声が高いのも納得がいく。

ただ、これは受け手である自分の問題なのだろうけども、いわゆる「生の人間」を描く映画が、パターン化しているような気がしている。
苦しみや傷を抱えた人たちが、紆余曲折を経て何かしらの解決、あるいは未解決にいたる話のパターンである。
映像や物語としての解像度が高いのは間違いないのだが、もはや、その解像度の高さだけでは、驚けなくなっていると言うべきか。
高解像度の風景写真を次々見せられても、驚きは確かに減っていくだろう。ここは一つ、解像度はそのまま、変わり種の映画がほしいところではあるが……しかし、それを実現させるのは難しそうではある。
戦場太郎

戦場太郎