頻発する緊急事態宣言、ワクチン接種が始まってもマスク着用、手洗い、うがいの励行は欠かせず、以前の日常は戻ってこないと諦め、心身共に疲弊している人は少なからずいると思う。
品川ヒロシ監督が「Zアイランド」以来6年振りに手掛けた最新作では、シンガーソングライターを目指して上京したものの、売れない地下アイドルに甘んじ、挙げ句は有名アーティストとのスキャンダルで世間からバッシングされて尾羽打ち枯らしてしまったヒロインの未央。
恰も都落ちするかのように実家のある北海道下川町に帰って来たものの、心身共に傷付いた未央は家族や友人たちともギクシャクしてしまう。
そんな折、子供時代からの幼馴染みの大輝が、大自然の懐に未央を連れ出したことから少しずつ彼女に変化が訪れる。
石川啄木の短歌で「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」というのがあるが、心身共にズタズタになっている未央を実家の両親、学生時代の友人たちが見守り、そして励まし、更に下川町の豊かな自然が彼女を優しく包み込んでいく。
果たして彼女は、周囲の人々のアシストを受けながらリスタートを切ることが出来るのか？
ラスト及びエンドロールで披露される主題歌は、彼女の心境をストレートに表現していて胸熱になります。
