このレビューはネタバレを含みます
田島に対して「この男ォ…(イラッ)」という感情しかなかったのだけど、最後の最後でくそう、好きになっちゃうやんか!
あんな潤んだ瞳で窓の外から見上げてくるの反則だし!
わちゃわちゃコメディかと思いきや、最後の最後は「ディズニーかよ!」とツッコミたくなるような美しさで、くそう悔しいけどこれはラブストーリーだよ…!となりました。
あれ、私なんでこんなにこの映画を認めるのが悔しいんだ?
これじゃまるで、「こんな最低なやつ好きになんかならない!」と思ってたのに好きになっちゃう女の心情そのままだ。
太宰治も、女性たちにとってこんなふうに憎みきれないいとしいダメ男だったんだろうか。
と、そんなことを思うのでした。
疑いようもなくクズなのにどうにも憎めない田島、大泉洋氏ご本人の魅力もあいまってとてもキュート(でも腹立つ)。
そして小池栄子さんのガサツで力強くも美しいヒロインっぷりが最高です。
どこまでが太宰の原作にある部分なのかしら。
ところで私、この物語を原案にした伊坂幸太郎さんの「バイバイ、ブラックバード」も大好きです。