JIZE

ナンシー・ドリューと秘密の階段のJIZEのレビュー・感想・評価

3.6
静観な邸宅が立ち並ぶリバーハイツを舞台に豪邸のツインエルム屋敷で発生した怪奇現象に16歳の勇猛な少女がいどむミステリー映画‼︎まずナンシー・ドリューを演じたソフィア・リリスのコミカルさかつチャーミングさに尽きる高純度の冒険型アイドル映画に思う。また系譜は今年みた『エノーラ・ホームズの事件簿(2020年)』みたく、事件全体より主人公自身の独特な個性や躍動感に趣きを置く毛色と類似している。冒頭からドリューが静観な住宅街のメインストリートにてスケボーで軽快に走り切る風景が活写されるが、その疾走感を減速するコトなく小刻みのビートで事件解明へさまざまな捜査手段や持ち前の好奇心を活かして動きだす。おもにティーンの友達同士のワチャワチャ感や、大人の世界に足を踏み入れる危険さなど、大から小までミステリーの濃度もさまざま。文字通り"事件簿"として大人顔負けの美少女探偵ものの誕生譚の立ち位置として君臨する。主演のソフィア・リリス関連で云えば『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。(2017年)』にてヒロイン役を熱演したが、彼女の独特な輝きが失われるコトなく本作でもまさにそのまま地続きのスタイルとして堪能させてもらえる。締め方的にも続編のシリーズ化を、やんわりとみたい。総じて少女と青春ミステリーを掛け合わせ最近の映画としては質感然り細部まで作り込まれた映画だった。
JIZE

JIZE