ヴェネツィア映画祭の女優賞は私の好きな女優が受賞することが多いという妙なジンクスがあり、その例となるのが本作品のロビン・タニーと『The Goddess of 1967』のローズ・バーンである。そして、なぜかその二つには男女のロードムービーという共通点まである。本作品のセスとマーシーは同じ店で万引してたらぶつかったという、食パン咥えた女子高生もびっくりな出会い方をする。精神不安定で暴力的な父親を持ったセス、トゥーレット症候群で様々なチックに悩まされるマーシーは共に孤独で、二人はすぐに惹かれ合う。しかし、マーシーは制御できない自身のチックを無理矢理抑え込むために薬漬け、酒浸りになっており、セスもマーシーもその状況を変えられない。それについて双方もどかしい思いを抱えながら、カナダへ向けてドライブを開始する。