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サルカール 1票の革命のodyssのレビュー・感想・評価

サルカール 1票の革命(2018年製作の映画)
4.0
【インド映画は日本なら時代劇だ!】

ヒーローはインド出身ながら北米で実業家として大成功を収めた男。
その彼が選挙で投票するために帰国したら、すでに何者かが彼の名で投票を済ませていた。
・・・というところから始まる映画です。

私はインド事情に通じていないので、現実のインドがこの映画で描かれているような情けない政治的状況下にあるのかどうかはよく分かりません。

そもそもヒーローは実業家なのに、どうしてこんなに格闘技に強いのでしょうか?
いくらインドが先進国でないとはいえ、こんなに悪一色の政治家がいるものでしょうか?そしていくらヒーローが政治的な洞察に満ちていて行動力にも優れていても、こんなに物事があっというまに好転するものでしょうか?

・・・でも、そういうことを言うのは野暮なんです。
この映画はとにかくまずエンタメであり、その土台の上に政治的な筋書きが作られているのですから。

この手のインド映画は、日本なら時代劇。
「おぬしも悪よのう」といういかにもの悪者(大商人とか、賄賂をせびる上級武士とか)がいて、そこに水戸黄門や暴れん坊将軍が登場し、万事を解決するのです。

しかしそうは言っても、ヒーローが作品内で情勢に合わせて徐々に物事を進めていく様子は、脚本的によくできています。
インド映画だから歌と踊りのシーンもあるし。
今、インド映画が熱い、と言いたくなる所以ですね。
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