ゆういち

失くした体のゆういちのレビュー・感想・評価

失くした体(2019年製作の映画)
3.8
フランスのアニメーション作品。
権威ある賞を受賞したこの作品。
本体ではなく手に視点を置いて物語を進める『失くした体』っていうタイトルと設定が斬新で面白い。
旅の過程で色々なモノに触れながら回想していき、何が起こったのかが少しずつわかっていく。
基本は右手の冒険と、持ち主の青年の恋をベースに物語は進んでいく。
青年の恋(半分ストーカー)よりも何故か右手側を応援したくなる不思議。
手は人間にとって何をするにもかかせない大事なパーツで、それを擬人化したような表現をしているのがとても印象的。
指の動きなどで細かな心理描写を感じられてとても良かった。
宇宙飛行士とピアニスト。
どちらも本気の夢だったかはわからないけどもう叶わない夢が後押ししてくれているような演出はなんかジーンとした。
エンドロールも含め終始哀愁が漂うせつないBGMが素敵でハッピーエンドのようなそうでないような不思議なエンディングが最近ではなかなかない作品だなと思う。
ゆういち

ゆういち