No.2518。「見る」「聞く」「触る」・・・日常の何でもない知覚が、我々のささやかな感情を呼び覚ましてくれることを、このアニメは優しく教えてくれました。
雰囲気が日本のアニメっぽい感じがしますね。ディテールもしっかりしているように思います。
ガブリエルはポーカーフェイスなのでなかなか心の動きが読めませんが、ナウフェルがピザを届けに来た時のインターフォン越しのやり取りなどをみると、彼女もまた寂しさを抱えているんだなぁ、と、切なくなりましたね。
そして、作中でガブリエルがナウフェルに紹介していた本が「ガープの世界」。これは映画にもなっていて、一言ではあらすじが紹介できないなかなかの異色作ですが、私は名作だと思っています。
そして、なぜ彼女がこんな「ブッとんだ小説」を彼に紹介したのかを考えると、彼女もまた、日々の生活の中で何かを少しずつ「失くしかけて」いて、それをこの小説で補おうとしていたのではないか、などと妄想すると、この映画にさらに深みが増すように思いました。