危うい高校コミュニティの息苦しい空気感の再現は見事だった。あの居心地の悪さ、それは対人関係にも影響を及ぼしていて「ああ!余計な事を!を余計な事を!」と鑑賞者に苛立ちを覚えさせる手腕は監督の力量を見た感じがした。
それと同時に地方の過疎化と言う切迫した状況の描写も、その地域に在住し、生活している人たちの気持ちを代弁して、ある種の都会在住民へのメッセージとも受け取れる。
そんな環境の息苦しさ、焦燥感の空回り、しかしそこからなとかして希望を紡ぎ出そうともがき苦しんでいるミニマムな群像劇とも捉えられる。
それが故のタイトルの「光を追いかけて」なのかと鑑賞後にそんな思いに耽り。
CMからの初監督作品、これからも継続してテーマ性のある作品を撮ってほしい。