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ポルトガルの尼僧のyのレビュー・感想・評価

ポルトガルの尼僧(2009年製作の映画)
3.9
恋人と別れたばかりの「孤独な」女優のJulieは、ポルトガルで尼僧役として映画の撮影に臨む。美しい街並みを一望する長いオープニングが好み。
本作では、同じフレームにできる限り複数の人間を映さないようにしているのか、人と人との間にカメラが入り込み、人物単体のバストショットの切り返しで会話シーンが進むので、感情の入る隙のないぶつ切りで冷たい印象を受ける。が、それがリズミカルでとても良く、向かい合うこと特別なものに仕立て上げる。シーンの重要性によってサイズを変えているのが迫力がある。
「Happyであること」に異様に執着するJulie。リスボンのエネルギーと尼僧との対話が、絶望する彼女に生気を与えていく。
奇しくもひとつ前に観たジョー・スワンバーグの「Alexander the Last」と同じく女優の性愛と憂鬱を描いた作品だが、こちらの方が圧倒的に面白い。
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