ぽち

デンジャー・クロース 極限着弾のぽちのレビュー・感想・評価

3.0
史実にそったストーリーとオーストラリア産という事で、ハリウッドとは一味違う作風が見所の作品。
銃火器はかなり忠実に再現されていて、60年代が好きなミリタリー・オタクは必見。オーウェン・マシンカービンの乾いた発射音がカッコいい。

戦争物のファンにはリアリティが魅力で楽しめると思うが、では映画としては?というとこれは今ひとつ。
キャラがまったく立っていない。実話として製作されたのでヒーローとヴィラン不在も原因。

でも、ラストの目の前数メートルに迫る敵に、ちょうど都合よく到着するM113APC兵員輸送車など、盛っていると思われる演出も目に付く。
当然、個人の行動もフィクションがかなり含まれると思われるので、それでこのキャラ立ちということは脚本、演出が悪いということだろう。

あと、ベトコンがあまりにモブキャラ的扱いなのも演出の悪さ。いくらなんでもあんな棒立ちで突撃してくる奴はいないだろ。

見所は拘りが伺える銃火器と、なぜか全員ムキムキ筋肉を上半身裸で見せ付けてくるオート・メラーラ榴弾砲のにーちゃん達。
ちなみにオート・メラーラMod.56 105mm榴弾砲はあんなに派手に火は噴きません。

余談。
オーストラリア軍兵士108人が約2千人のベトナム兵相手に」ってのが売り文句のようだが・・・・
オーストラリア兵108人はいいとして、誰がどうやってベトコン2000人って数えたの?
当時はリアルタイムで赤外線探知などの衛星なども無いし、戦った人たちの情報しかないわけで、かなり不確かな数字。

「すっげー数の敵がきてんじゃん!!」「どんだけいるんだよ」「わかんねー!!2千ぐらいじゃね?」

程度の認識じゃないのか?
それに戦闘後の報告や、当時の話を関係者に聞いたとしたら、そりゃ盛るでしょ、敵兵の数は。

もしかして200人程度だったかもね。
ぽち

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