Nao

悪なき殺人のNaoのレビュー・感想・評価

悪なき殺人(2019年製作の映画)
3.8
「人間は偶然には勝てない」

フランスの山間部の町で、吹雪の夜にエヴリーヌという女性が失踪し殺された。
農夫ジョゼフ、
ジョゼフと不倫しているアリス、
アリスの夫でネット恋愛を楽しむミシェル、
エヴリーヌと不倫をしていたウエイトレスのマリオン、
コートジボワールで詐欺をする青年アルマン。
別々に見える5人の男女の視点で進んでいき、物語はある「偶然」が重なり事件の真相にたどり着きます。

唸ってしまうほどよく出来た脚本。
5人のチャプターからなることから時間軸が絶妙に入り組んでいて、
「この時この人こんなことに、、、!」と
少しずつわかっていく感じもとくに後半はテンポよくて気持ちいい。
あとオープニングがアフリカの街並みでなんとも言えない絵からはじまって
フランスの山間部の映像に切り替わるのですが
ネタバレしすぎずこれから始まるドギマギ感を高めてくれます。
キャラクターが良くて、マリオンはめちゃ可愛いし、「ジュリアン」で強烈な父役が印象的だった俳優さんがミシェル役でめちゃハマっていた。アルマン役は、監督が現地で探した演技素人で実際ネット犯罪グループにいたという男性。こういうキャスティングってすごいし、目が印象的で表情が良かった。
ラストは賛否あるかもだけどざわっとして私は好き。

なんで洋画の邦題って変えたりするんだろう?
無理に説明しすぎというか逆にわかりづらくしている気がする。
「悪なき殺人」ってハマってないわけじゃないけど、オープニングの良さが薄くなるし、
この映画に関しては原題の「Only the Animals」っていうタイトルがやっぱりしっくりくる。
Nao

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