前半、ほとんどセリフなしのシーンが淡々と続く。生活の中の秩序、ルーティンみたいなものって心を守るためにすごく大事だと思う。そういう、生活の愛しさや尊さがよく伝わった。
最後の、おじさんを見る目つきは、彼女自身が、いろんな興味から距離を置いて、生活や大事な人を守ることを誓うような、自らを律するような目つきだった。おじさんは彼女の心が壊れてしまわないように細心の注意を払っている風に見えた。
登場人物がみんな互いに敬意をもって接していて、踏み込む足の置き場を慎重に選んでいるような距離の取り方がとてもよいなと思った。