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タイトル、拒絶のsugioseptemberのレビュー・感想・評価

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)
3.0
伊藤沙莉が演じるカノウの衝撃的な独白から始まり、デリヘル嬢たちの群像劇が描かれていく本作。彼女らが抱えているもの、リアルな叫び、それでいてどこか優しく見つめる姿勢は観客の心にも突き刺さります。


元々舞台の映画化で、その舞台製作にかかわっていた人が監督。

内容はデリヘルの待機部屋での諸々って感じ

『さよなら歌舞伎町』や『フルーツ宅配便』といった風俗の世界で人間の滑稽さをユーモラスに切り取った作品はあるものの、本作はどこまでも悲観的だ。女性であることを男どもに売ると同時に、その金が控室内の人間関係の中でも欲望がトリガーとなって回っている。金と欲がぐるぐる回っていき、自分の人生が出口の見えない渦に巻き込まれる様は深刻だ。