叡福寺清子

野獣処刑人ザ・ブロンソンの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

野獣処刑人ザ・ブロンソン(2018年製作の映画)
2.5
いやホントに似てます.笑けてくるレベルで.でもそっくりさん芸ってすぐ見飽きるんですよ.ネタ的にはほぼ出オチ.ずっと観るなら,普通に本人観るよなぁ.ただ本件のようにすでに鬼籍に入られた方の場合,本人を観ようと思ってもできませんから,そっくりさんでもそれなりの価値はございましょう.その辺,ブロンジーさんも理解されてらっしゃるご様子で,徹頭徹尾寄せてきてます.松本人志のそっくりさんで話題のJP氏.御本人は右利きなんですが,まっちゃんの真似をするときは,可能な限り左利きになるように心がけています.そういう事です.ブロンジーさんのモノマネ芸人としての本気度は,本作で十二分に伝わってきました.

ですが,そのブロンジーさんという素材を,作品という料理が活かせたかというと,それに関しては大いに疑問・・・というか全然ダメでそ.
どこからともなく現れて,悪党を処刑したら風のように去っていくMr.K.車椅子の娘さんがいる母子家庭に毎月大金を提供するMr.K.彼はなぜそんな事をするのか・・・これもまぁ,大体の人が察しつくし,実際その通りだし.つまり物語的な面白さは皆無.全編1.8倍速にしても何ら問題はございません.
そしてそれを補って余りある棒演技.ブロンジーさんは無口で感情の起伏が極端に乏しい人なのでまだいいですが(いやアクションは完全なおぢさんのそれ),他の俳優さんは全員酷い.なんか全身タトゥーで異常に気合の入った人たちがいたが,あの人たちは元マジモンかなんかだったのでは.

一部の好事家の方々には好評なようですが,残念ながら本作を楽しむ心の余裕が私にはまだございません.合掌!