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ラ・ジュテのNのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
4.1
時は第三次世界大戦後。汚染物質が蔓延している地上に代わり人類は地下で生活することを余儀なくされている。地下世界では科学者による実験(被験者にアイマスクを被せ電流か何かを送ることで過去-未来を行き来させる)が行われており、主人公は幼い頃に観た"あるイメージ"によって過去そして未来への往来を成功させることになるのだが…。時間逆行系映画には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のような過去の原因を改竄することで未来の結果を変えていく因果論的作品と『テネット』や『メッセージ』のような既に未来は確定していて決して変えることはできないとされている目的論的作品に分けることができる。本作品は後者に分類されると思うのだが、ラストカットでようやくその残酷な目的論的事実に気付かされることになる。ボラギノールのCMを彷彿とさせる静止画のみで構成されるモンタージュの数々。そして不気味なナレーション。一度観たら忘れられないイメージの中の映画。
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