もぐりん

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのもぐりんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「大いなる力には」
「大いなる責任が伴う」

僕が映画に求める全てが詰まっていた。

生涯ベストムービーです。

この作品は私を含めた全世界のスパイダーマンファンの願いを実現してくれました。『アベンジャーズ:エンドゲーム』を観たとき、観客の「こうなったらいいな」という希望がそのまま反映された展開が、まるで同人誌を読んでいるかのようでした。本作は、その感覚をさらに濃縮した展開がされます。なんせ『エンドゲーム』は、MCUの10年間を凝縮しましたが、今回は20年分の感動が収められているのですから。

ここからは、ネタバレのオンパレード感想です。ご注意を。

~⚠️ネタバレ注意⚠️~

まず、私は予告を一度も観ず、ネタバレも回避して映画館へ行きました。つまり、ほとんどの前情報無しで"あれ"を観たのです。そりゃあ情緒も不安定になります。

親愛なる隣人として、いつも等身大で、時に心の支えになり、勇気を与えてくれました。演者や監督、作品の世界観が変わっても、そのメッセージ性は不変で、世界中で愛されてきた"彼ら"。いつしか、一堂に会するところを一目みたいと世界中が思い始めたことでしょう。

しかし、様々な大人の事情や、MCUという確立された世界観により、その願いは100%の形で叶うことは無いだろうと半ば諦めつつ、それでも「もしかしたら」という僅かな期待もしていました。

前作の衝撃的なエンディングから始まるオープニングに、いつものトム・ホランドスパイディ達が登場し、胸が高鳴りすぎて吐きそうになっていた私を落ち着かせてくれました。

腕利き弁護士の嬉しいサプライズがあり、お次はストレンジ先生に「助けて魔術師~」と、のび太くんばりのムーブをかますトムホ。このリアル高校生な立ち振舞いが、トムホスパイディの特徴ですね。

お次は、テンポのいいヴィラン軍団の行進。誰が出るのかうっすらとしか知らなかったので、一々大興奮。登場するタイミングと、「あっ、こいつ出るの!?」という二つのパンチを、毎回同時に喰らうのです。

そこからの、倒すのではなく救う、という展開が新しく、また、スパイダーマンらしくもありました。過去に対面したことのないキャラ同士が会話したり、いじりあったりと、どのシーンもニヤニヤ。と同時に、これは本当に現実なんだろうかと受け止めきれない自分も。

こんなにヴィランがいれば、不穏な空気も流れます。やはり奴らの反乱は起き、ある重要な人物が命を落とします。トムホスパイディのシリーズ中、最も重いこのシーンで、観客はどん底に叩き落とされますが、その直後、映画史に残る奇跡により、一気にボルテージはヒートアップ!

この時の観客のどよめきと呼応して、私の感情は沸点を越え、登場人物の一挙手一投足に涙が止まらなくなりました。自分が生きているこの世界線で、こんな奇跡が起きるなんて…!

その後は、夢を見ているんだと思った方が受け入れられるシーンばかり。理系の本領発揮、井戸端会議や準備運動、スイング、そしてMJの空中キャッチ。画面の端から端まで懐かしさと新しさで充たされ、この時間が永遠に続いてほしいと心から思いました。

この作品の凄まじい点は、単なる同窓会にまとめあげるのではなく、各シリーズのストーリーを丁寧に織り込み、昇華させ、トムホスパイディの最終作としての締めをも描ききった手腕に尽きます。ここまでのサプライズを盛り込んでおきながら、観客を置いていかないストーリーテリングには、脱帽を通り越して平伏。

これは映画ではないと言う人も、映画として面白くないと言う人もいるでしょうが、私はこの作品を観ることができて、この上なく幸せです。今これを書いている瞬間も、涙が滲みます。これほど心震える作品であることに変わりはありません。
もぐりん

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