カイ

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのカイのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

初めて劇場で観たスパイダーマンは「スパイダーマン3」。それから15年、その歴史の重みがドッと押し寄せる今作に驚き、笑い、涙した。ドックオクの笑顔、エレクトロとの和解、ゴブリンの治癒…。そのどれもが「有り得なかった結末」を見せてくれる。そして同時にやり直す機会、「セカンドチャンス」が、悲劇に見舞われながらも最期まで人の善意を疑わなかったメイの言葉によって紡がれた事がピーターを突き動かす。誰よりも優しいヒーローの心に、メイが、ベンが、トニーが確かに居る。そして二度目の機会はヒーローにも訪れる。救えなかった過去を覆し、師弟は重ねた年月に苦笑しながら話す。そんな二人の自分に少年は学ぶ。世界線は違えど、積み上げた経験が時に重なるから「ピーター・パーカー」は助け合える。蜘蛛に噛まれた男の奇妙な人生の苦味と喜びを理解することで「クイーンズの少年」は「一人前のヒーロー」になる。「大いなる力には大いなる責任が伴う」、今は亡き最愛の家族の言葉を胸に、そのヒーローは大切な人を守るために過去を封印する。安アパートで高卒認定試験の勉強をしながら、警察無線に耳を傾け、助けを必要とする人々の下へ、お手製のスーツを身に纏い、摩天楼をスイングしながら駆けつける。そして、その素顔を知る者は誰もいない。親愛なる隣人、彼の名は「スパイダーマン」。素晴らしいトリロジーの締め括りだった。最高の祭り映画をありがとう
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