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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのShintaroOooooooのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

少しでもスパイダーマンに対して思い入れがあるなら躊躇せず鑑賞すべき、ファンのための珠玉の作品。

映画のポスターやキャスト欄を見れば分かってしまうことだが、ウィレム・デフォーやジェイミー・フォックスなどのサム・ライミ版とマーク・ウェブ版のキャストが出演する。
スパイダーマン原作の世界にはマルチバースという設定があるとは言え、版権や製作費の問題から作成は簡単ではなかっただろう。
少しでも過去シリーズに感動したなら期待せざるを得ない。

しかしながら、この手のオールスター映画には警戒すべきところもある。
例えば、過去の映像の流用をしただけで総出演を謳うような映画である。
あるいはマスクを被ってる別人に吹き替えをしただけとか、マーベル映画で定番だったスタン・リーのカメオ出演程しか登場しないとか。
そのため気分としてはグラビア雑誌の袋とじを開けるような感じだった。
え?なに?ヌードってこんなもん?また表紙に騙されたか…的な、袋を開ける前が一番テンションが高くなる現象である。
どうせウィレム・デフォーも15秒程しか出ないんだろ?やれやれ騙されてやるか、という気持ちで鑑賞していた。

ところが予想に反して今作では総出演しているのである。
スタン・リーのカメオどころの騒ぎではない。
しかも、ただ登場するだけでなく、戦闘シーン以外の日常会話に結構時間を割いているのである。
トビースパイダーマンとドック・オクが普通に会話しているだけで心動かされるものがある。
なにより、アンドリュースパイダーマンがMJを助けるシーンには涙を禁じ得ない。
個人的にはサム・ライミ版の体内から糸を噴出するという設定に対するツッコミが非常に良かったと思う。
まるでコミックスのコマとコマの間を脳内で補完するオタクの妄想を再現したかのような演出だった。

また、ウィレム・デフォーも天使デフォーと悪魔デフォーを演じ、名役者っぷりを惜しげもなく披露していた。
改めてスパイダーマンシリーズの俳優の豪華さを証明した。
ヤバいヤバい!ウィレム・デフォーが(マスクを)脱いでるぞ!的な最高の袋とじである。

大いなる力には大いなる責任が伴い、ピーター・パーカーももしかしたらこうなってるかもしれない姿がヴィランである。
他のスーパーヒーローに助けられるのではなく自分自身で克服するところが非常に良いまとめ方だった。
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