MasahideYoshida

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

4.1
2022年公開
監督 : ジョン・ワッツ
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正体をバラされてしまった高校生ヒーローが、人々の記憶を変更するためにおとぼけ魔法使いに相談して大変な目に遭うお話。

過去は変えられないけど、今この瞬間から生き直し始めることはできるという物語。別の次元からいろんな悪役が召喚されてしまった時、主人公は彼らと向き合う時にそういう信念を持って挑む。死んだら意味がないけど、生きていればまた何かどうにか、良いことや誰かのためになることもできるかもしれない。その、「かもしれない」でしかないことを捨てばちにならずに向き合うしかないのだと。愛する人を死なせてしまっても毎日は「続ける」敷かないのであると。

秘術の代償を一人で一身に引き受けられた主人公の健気さが、トム・ホランドのあっけらかんとした佇まいとともに逆に際立って、ラストはかなりかなり悲しいけれど、それでしか終われなかったシリーズだったのかもしれない。もうちょっと、わがままに、自分の楽しさや幸せを優先してもいいのにとも思ってしまうけど、スパイダーマンって、元々そういう悲しさとともにあるキャラクターなのだろうと思うと、なかなかどうしてマーベル、深いなあと思ってしまいました。