キング・ルーの登場の仕方がターミネーターすぎて笑いました。まあそんなことどうでもいいですが。
埋もれていて誰も知らない小市民の物語への尊重度合いが、正に毛色は違うけれどもカウリスマキと同じでした。作品の出来や好みに関係なく、映画が好きならば絶対的に肯定できる眼差しがあります。
今作も乳搾りという身体的な接触で牛とクッキーが語り合うところが印象的でした。ふれあいを大事にされていることがよく伝わってきます。
一方で、どうしても牛が出てくるまでが勢いに欠けていたため、少々飽きがきてしまいました。
しかし、このような円環構造の物語はありがちではありますが、あくまで死の瞬間を見せないことで友情のまま終わらせたところは流石で、見えないところで描くことが本当に上手いなと思った次第です。