男二人の友情を描くなんて、女性作家として、やはり面白いなと思う。
資本主義社会において、ボロ屋から這い上がるのは、ちょっとやそっとじゃ難しい。
ましてや異国人であればなおさらだ。
仕事のできる、生産性のある人間でなければ、価値はないのか。
這い上がるシステムがない時、それでもただ真面目に生きることが正解なのか。
ストーリーは極めてシンプル、
分かりやすい物語だが、画で、時間で魅せられる。眠くはなるが、うっとりもする。
とりわけラストカットはとても魅力的だ。
すごく今に通ずるテーマだと思うし、
これを現代の会社を舞台とすると、現実と地続きすぎてクラクラするが、
フィクションならではのぬくもりと自然の豊かさが、確かに根底にあったと感じた。