てつこてつ

水曜日が消えたのてつこてつのレビュー・感想・評価

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
2.0
ちょっと狙い過ぎてるなあ。曜日毎に人格が変わるという多重人格=解離性同一性障害の主人公という攻めたテーマを持ってきている割に、最後までストーリーに盛り上がりがないので、自分としては、やや退屈でした。

この手のテーマでは、古くはデ・パルマ監督の「レイジング・ケイン」の名優ジョン・リスゴーや、最近でもM・ナイト・シャラマン監督作品「スプリット」のジェームス・マカヴォイの鬼気迫る演技が強く印象に残っているので、今作では、特に前半部分では、単純に記憶を失っているだけに見えるキャラクターで分かりづらい。

終盤になって、まあ、ある意味、作品のヲチとして別人格が登場するんだけど、声色変えて、若干ドスが利いたキャラクターとなっているだけで(でも、中村倫也は、その微妙な二つの人格を上手く演じ分けてはいた)、上に挙げたアメリカ映画のように、声色どころか立ち姿や振る舞いもガラリと変わる・・っていう分かりやすい展開が無かったのが物足りない。

もちろん、この作品は、スリラーサスペンスを狙っているわけでもないし、実際、解離性同一性障害を患っている方々の大半は、男性・女性の人格が同居したり、ましてや、小説でも有名なビリー・ミリガンのように24人格なんてのはあり得ないのかもしれない。

それでも、これだけ特別なテーマを扱っているんだから、もう少しクライマックスを盛り上げるとか、エンタテイメント性があって欲しかった。主人公の唯一の友達である女性キャラクターの描き方も中途半端。
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