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リチャード・ジュエルのHRKNのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
5.0
今(2021年8月)まさに見るべき作品。五輪。メディア。行政権力。感染する恐怖。スポットライトを当てられる被害者。この鑑賞時点で全日本国民が考えるべきざまざまなテーゼが、この作品に凝縮されていたと思う。

コロナの中、東京五輪が開催されてる今だからこそ、この実例に学ぶべき何かがある。そのことを、人々に「冷静に」と呼びかけなきゃいけない。

政府もメディアも、それぞれのスタンスの中でダブルスタンダードがあり、一度犯した間違いを簡単に認められない。だからこそ、認識違いをなんの責任もなく認められる我々一般市民こそ、冷静に、ときに過ちを認めながら、今こそは正しい歴史を紡いでいく義務があるべきだと思う。

そのためにも、時事的な問題には常に問題提起が投げかけられて然るべきだと思う。

東京五輪開催は妥当だったのか?飲食店だけが腫れ物扱いされるような緊急事態宣言はどれだけ正当性があるのか?錦の御旗のように復唱される「医療現場の逼迫」は諸外国と比較したときに、正しく「緊急事態」なりえるのか?果たして国、メディア、市民が考えるコロナのリスクは果たして楽観にすぎるのか?それとも悲観にすぎるのか?

日本国は民主主義国家である以上、短期的責任は首脳にあるにせよ、最終的な責任は国民にある。一人一人が、熟慮しなければならない。それこそが「善き国民」であり、歴史の中で勝ち取った、善き「民主主義国家」の条件であると自分は信じている。
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