ぎんちゃん

リチャード・ジュエルのぎんちゃんのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
4.1
クリントイースドウッド、まだまだすごい。
このタイミングで本作をつくって公開した監督の想いを勝手に考えてみてる。前作運び屋は「自分の人生も重ねつつ発信する」感じだったけど、本作を通して何を言いたかったか。鑑賞者に何を思わせたかったのか(どんなメッセージを受け取るのか正解か)。数日この考えさせられる余韻を楽しみたい。

それぞれキャラが立っていて役柄もぴったりでつなぎもスムーズで、ドキュメンタリー感がですぎるかと思ったけど、適度にコメディ感?笑いどころも織り交ぜてくるので、「これは映画だった」と引き戻してくれる。管轄がどうとかいう警察たちやFBI。人権を無視した取調べ。わくわくさせる事件を期待するマスコミ。そんな世間への風刺もたっぷりだった。
いいひとや不器用なひとが時に損をする、本当かかどうかわからないのに拡散する、ちょっと異常なくらい。マスコミだけじゃなくて今は誰でもそれができる時代。1か月で人間は簡単に追い詰められるしおかしくなる。
性を武器にしてるようにみえる描写、同性愛への表現は今後もう少し配慮があるつくりになっていけばいいなと(でも本監督についてはらしさがなくなっちゃうけど)

(2019.1.14再鑑賞)
序盤から最後まで「権力に屈するな」という趣旨の言葉がよくでてきて、一貫したメッセージを感じた。
あえてミスリードや混乱を誘うカメラまわし(観客を俯瞰で撮ったり家族を撮ったり)もある。
一度目鑑賞ではただただ可哀想な主人公と思ってたけど。
二度目鑑賞では、崖っぷちに立たされながら、自ら泥沼に飛び込む(色んな行動が仇になる)感じもみえるストーリー。ベーグル食べる場面の表現好きだな。