ちゃんみう

リチャード・ジュエルのちゃんみうのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.3
地味な映画です。タイトルこそ『リチャードジュエル』と主人公を前面に押し出してますがテロ爆弾事件を、容疑者とその家族、FBI 、メディア、弁護士の視点から描いた群像劇です。話はまとまってるし、それぞれまあその立場だったらそうだろうねーという感じで動くので、驚きや憤り、悲しみがわいてこない。この部分が物語としては物足りなく感じました。

主人公のジュエルは、軽度の知的障害があるのかな···あの生真面目さといい、ボーダーにいるのかなぁというところ。彼はlaw enforcement (法の執行者)に過剰なまでの憧れを抱き、市民を守るんだ!と意気込んでるのですが、皮肉なことに自分のことを全然deffend できない。滅私奉公という言葉がありますが、そうではなく、(私)を守る能力に欠けている。これじゃ疑われるよそりゃ...とは思いますが、そうはいっても政府は本来全ての国民、市民のためのものです。こういう人達をきちんと守る仕組みが大切であって、劇中のFBI捜査のようにそれにつけ入る政府や司法であってはならないのです。

そう考えるとちょっと?大分?政治的な示唆に富んだ作品なのかもしれません。