新品畳

リチャード・ジュエルの新品畳のレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
4.0
イーストウッド相変わらず質の良い映画を撮ってくれる。
サム・ロックウェルも最高。

最近ファクトフルネスを読んだばかりだったので、どうやって人間は真実を見誤るのかを実践的に把握しながら見たので面白かった。

ただ、この映画自体が疑いようのない真実に辿りついてるかどうかは確かめることはできない。それはジュエルが犯人かどうかの真偽ではなく、女性記者の枕営業シーンに対して「事実ではない」という批判的な意見もあることからも窺える。
(実際の記者本人は2001年に薬物の過剰摂取で死亡しており、事故死か自殺かは不明とのこと。)

人間は誤った思い込みや先入観で真実を見失う。ノンフィクションを基に作られたとしてもフィンクションには違いないからだ。
それは新聞記事も映画も同じだ。我々はいつも何かを見落とし、見たいものを見ようとしてしまう。

見た目が太った冴えない男性、性的で性格がきつそうな容姿をしている女性記者、ハンサムで筋肉質で瞬きをほとんどせず目の前にいる人間を見下ろす(みおろす)FBI捜査官。
それらの印象づけが物語に何をもたらすのか、我々がそれをなぜ望むのかしっかり考えながら鑑賞するのもフィクションの楽しみ方の一つだと個人的には考える。

良い作品だった。
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