紅茶

雨月物語の紅茶のレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
4.5
評判通りの素晴らしい作品でした。主人公たちの人間性が試される分岐点となった琵琶湖のシーンでは、クレーンを用いたカメラであらゆる角度から船を追っているのも素晴らしいのですが、湖付近に漂う霧の様子もまた良い。女性映画の傑作を生み出し続けた溝口監督。この作品も御多分に洩れず、その部類に入ると思われる。女性と男性の構図の中で、目先の欲に埋もれる男性たちを、冷徹な視点で捉える女性サイド。社会的な役割を果たすと共に、それに伴う豊かな映像表現がこの作品の傑作たる所以になっているかもしれない。

ちなみにワンシーン・ワンショットの手法は後のヌーヴェルヴァーグにも影響を与えているそう。
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