雨月物語の作品情報・感想・評価・動画配信

「雨月物語」に投稿された感想・評価

死ぬまでに観たい映画1001本より391本目

羽柴秀吉の時代に小さな村に住むある2組の夫婦の話ですね。

ほぼ悲劇です。
戦国の世で一般人はどうやって生きなければならなかったのかまざまざと見させられます。

けっこう辛いですね( ̄▽ ̄;)

このレビューはネタバレを含みます

普遍的な人間生活に関わる問題とそれを映画的に魅せるスマートな演出に心躍る。物質的に満たされようとする弱い者の旅の終わりには食卓が待っていて、悔恨・憎悪などとうに(死と共に)越した伴侶の懐に男はすがるしかない。トウキョウソナタ。それはもはや許しや慈悲ですらないのかもしれない。
男の立身出世と引き換えに妻が死んだり遊女に堕ちたりラジバンダリする映画

びっくりだったのが同年代の黒澤作品と比べてセリフがめちゃくちゃ聞き取りやすいこと
当時の録音環境が悪いのかと思ってたけど単純に滑舌が悪い声を張り上げるから音が割れるの2要素ぽい



ヌーヴェルバーグに影響を与えたらしいけど何がどういう風に影響を与えたのかまじでわからん

幻オち、商人風情
幽霊系が苦手ですが、怖がらせようとして作ってるホラーとは違うので、怖くはなかったです。

こんなに前の映画なのに、結構高い目線の固定カメラや、船のシーンで霧の中水面ギリギリで固定していたりと、この時代にどうやって撮ったのかなって思いました。

最後まで見終わればやっぱり面白かったと思える作品でした。

話の構成も演出も。
未々

未々の感想・評価

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金や出世への欲に目が眩み、妻子や恋人を顧みない姿勢よ
昔話によくある地に足つけや!話かと思いました

2人の人物のエピソードが描かれているけれど、元となった雨月物語の中の話を改変して、それが混ざり合って1つになっている構成?

朽木屋敷の場面特に良い
白黒の映像にきらびやかな着物が映える
若狭の舞や歌声も美しい、妖艶です
ビジュアルが最近見た「怪談」の雪女と同じだった、ああいう風貌の時代設定っていつだ
幽霊、幻をみていたっていうのも寓話的で良い

篳篥?なり、雅楽ぽいのも良い
遊郭

遊郭の感想・評価

4.2
画角をしっかり凝る映画は、ちゃんと俳優を正面からも写すよね 正面場 なんっつって
これが溝口的美学か。同じ姿勢でずっと魅入ってしまった。

哲学的寓話の物語に、日本的リアリズムと幻想的怪奇の世界が交差する。

背景音を極力排した画面と長回しカメラワーク、そしてそれに応える役者の演技。京マチ子の妖艶さ、田中絹代のリアリズムは美しいとしか言いようがない。

ヌーベルバーグやマーチンスコセッシ監督から評価を受けたというのもうなづける。

製作年は53年。小津安二郎監督『東京物語』と同じ年、黒澤監督『生きる』が52年、『七人の侍』が54年。素晴らしい日本映画が続々と製作されていた年代だ。
ジョウ

ジョウの感想・評価

3.7
個人的にはよりリアリティのある「祇園の姉妹」や「浪速悲歌」の方が好きです
物質文明の否定。
陶器にせよ槍にしろ、金、力、そして名誉に陶酔する男たちの惨たらしい戦争と略奪。物質に取り憑かれ、蕩尽し、己の道を見失ってゆく。
その対極の存在としての虐げられる女たち。
愛と生、人間精神の尊さが、白黒のフィルムに燦然と輝き出す。

物質で愛を担保しようとする主人公は「市民ケーン」に近い。

なお、鑑賞にあたって上田秋成とモーパッサンを読み直した。
浅茅が宿とか吉備津の釜とか、じっとりとした文体で描かれる執念、愛憎、怪奇。そして、人間の絶望も強欲も悲観的に嘲笑し、悲喜劇に落とし込むフランス自然主義の妙。
溝口の天才的な演出とカメラワーク、役者陣による人間精神の真に迫った演技によってこれらは完全に調和し、類稀な作品が作り上げられている。

長回しというリアリズム。
切腹が岩陰で映らない演出が個人的に好き。
はじめての溝口健二監督作品。

黒澤明監督、小津安二郎監督と並ぶ日本映画界の三大巨匠のお一人だと言われたら、それはもう観ずにはいられません。

ああ、やはり画角が美しい。特に琵琶湖を舟で渡る場面は印象深く、霧の濃淡でモノクロームのグラデーションを作り出し、この後の展開を暗示するかのような怪しさが醸し出されています。

物語は戦国時代による混乱期が舞台。昨日まで農民だった者が、具足と槍さえ持参すれば誰でも戦に参加でき、そこで手柄を取れれば侍に引き揚げられ、ことと次第によれば一石一城の主にもなれる混沌とした時代です。

そんな時代で一攫千金を夢みる源十郎と藤兵衛。それに引き換え、源十郎の妻である宮木と藤兵衛の妻である阿浜は、夫の出世など全く望んでいないご様子。この物語は、成り上がりたい男たちと日常の平安を望む女たちとの心のギャップが見て取れます。

この作品が第二次大戦から8年後に公開されたことを考えれば、この戦後の混乱期も戦国時代のように混沌としていて、どさくさに紛れ裸一貫で成り上がろうとする男たちが大勢居たのかもしれませんね。

だとしたらこの作品は、弱者である女性の立場から、そんな機運に乗っかろうとする男たちに向けて、

「あんた、調子に乗って欲に溺れたらあかんよ!」

と、きつく諭されているようなお話に感じます。

この作品は時代劇にも関わらず、少しファンタジー要素も含まれているのですが、効果的なカメラワークと役者さんの演技力だけで、その現実と幻想の世界との境目を区別してしまうのですから見事なものです。

その幻想世界で一際光輝いていたのが京マチ子さんの演技。今作でも京マチ子さんの妖艶さはご健在でした。その少し"能"の面を思わせる美しいお顔立ちは、どことなくミステリアスな雰囲気が漂い、今回の役どころにもピッタリはまってました。

小津監督の「浮草」といい、黒澤監督の「羅生門」といい、今作の「雨月物語」といい、日本の三大巨匠の作品に出演されてるなんて、当時の京マチ子さんの人気ぶりが窺えます。やはり観ていても画面から漂う存在感が違います。

ハリウッドのスピルバーグ監督やスコセッシ監督が黒澤明監督から影響され、ジム・ジャームッシュ監督や台湾ニューシネマのエドワード・ヤン監督などが小津安二郎監督に影響されたように、ゴダール監督等、ヌーベルバーグの若手監督に影響を与えたと言われる溝口健二監督の演出。どんなものかとずっと前から観よう観ようと思っていたので、今回拝見できてとても良かったです。

しかし僕自身、溝口健二監督を語るには、まだまだ勉強が必要だと感じました。あと2〜3作は作品を追いかけて、溝口美学の真髄を学ぼうと思います。
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