ひろせ

雨月物語のひろせのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
4.8
溝口健二恥ずかしながら初鑑賞なのだけれど、とても見やすかったし面白かったので驚いた!!
まさしく大人のための日本むかし話といった映画だった。

まずロングショットと長回しを多用して、フェードアウトで流れるような画面が心地よい。どどーん!と出てきてザクザクカットされる映像よりも好みだ。
シンプルに美しいショットは演劇的で、伝統芸能を見ている気分になる。霧の漂う船のシーン、廃墟の画が好き。
俯瞰の構図が多いのもその時代の雰囲気全体を感じ取れてよい
そして京マチ子のオーラといったら…妖しく美しい
昔の貴族はこんなにもゆったりだったのか。

ストーリーは雨月物語を読んだことがなくてもいくつか怪談を読んだことがある人なら予想のつく典型的な展開なのだけれど、演出の効果で新しい魅力がある。最後の奥さんの仕草とか。
こういうの見ると男ってどうしようもねえな!と思うけど笑、ああいう人間らしさは誰しも持ち合わせているしいたって寓話的。
そしてラストシーン。ベタだけどぼろぼろ泣いた。
案の定、あそこまで語る必要はなかったという声が多いけれど、まあこの監督がそこを考慮しなかったわけはないし、意味があるのだろう。
とにかくわたしはこの演出に泣かされた。ということだけは確か。
昔話からまだまだ面白いものは作れるのだなと思った
ミゾグチもっと見ようっと。