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雨月物語のsatoのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
3.8
どこか幽玄の雰囲気があって、戦乱の中の男女の価値観が垣間見えた作品だった。
原作の「蛇性の淫」「浅芽が宿」を組合わせつつ、換骨奪胎して独自の物語として完成させてたのがよかった。中でも朽木屋敷の出来事は明るいシーンと暗いシーンの緩急をうまく付けられていたと思う。
何よりも、二組の夫婦の関係性から男女のちょっとした相違が現れていたのが印象的だった。家庭を顧みずに職人魂や出世欲に執着する男性や、家族全員が穏やかな生活を望む女性の心境を自然に表現してるのは流石。そしてどっちも何となく理解できるような表現にした所が、さじ加減が絶妙だと思う。
というか男女関係なく、源十郎の作った陶器に愛着が持てる所は素敵。
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