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チャンシルさんには福が多いねのYHのレビュー・感想・評価

4.3
主人公チャンシルが、そして(恐らく)監督本人のが「尊敬している」と劇中に公言している小津安二郎監督の作品のように淡々と日常を写すような作品。

今まで全てを度外視して全てを注いで来たものがいきなりなくなってしまった人がその状況を受け入れ、立ち直る過程を描いていて、大した事件も、危機もないけれど、それこそ人生であろう。

ほぼ同年代のチャンシルが全てを失ってから「本当に生きていくというのが何か知りたくなった」と宣言するところでは、その気持ちが痛いほど伝わって涙が出た。

一つ残念なところを言うと、字幕がダメだったこと。映画の翻訳、字幕の仕事は自分もやった経験があるのでその特集性と難しさはわかっているけど、凄く大事な台詞を全く違う内容に訳したり、訳せずスルーしてしまって内容がわからなくところが所々あった。
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